狂気
次の診察日、私の様子は様変わりしてた…らしい。
「らしい」と敢えて言ったのは、私自身その事をあまりハッキリとは覚えていないから。
先生曰く、まず受付に診察券を投げつけた末、他の患者さんに八つ当たりしそうになったそうだ。
その日、私は猛烈にイライラしていた。
なぜイライラしているのか、自分でもよく分からなかった。
受付からの連絡で診察室から飛び出してきた先生は、私をなんとか診察室に連れて行った。
先生は私を咎めるとばかり思っていたのに、一切責めることはなかった。
代わりにとても心配していた。
そんな私は、ありとあらゆる罵詈雑言を吐いた挙げ句、突然笑い出して今までやってきた自殺未遂のことや、ふしだらなことを嬉々として話しはじめたらしい。
なんとか薬は飲むと約束して、その日は帰してもらえた。
入院施設のある他の病院なら、即入院だわコレは…。
私の中で、もう一人の冷徹で狂気に満ちた奔放な女が生きている。
その事実は、到底受け入れられるものじゃなかった。
なんかゲームやアニメの世界みたいな設定だな…。